子供の虫歯は決まって奥歯にできます。大人についても、やはり奥歯は虫歯になりやすいですが、その原因も同じです。奥歯は隙間が少なく密な状態で並んでいるため、歯ブラシだけではなかなか汚れを落としきれないという理由があります。
また、子供(乳歯)の虫歯は大人のように黒くなりません。子供の歯のエナメル質が柔らかいため、大人のように黒くなる前に浸食されてしまうのです。それゆえ、「奥歯に虫歯ができやすい」というイメージが先行することが多いようです。そして、それだけ「虫歯の進行に気づきにくい」という特徴があることになりますので、保護者の方には注意をしっかりとしていただきたいと思います。
近年虫歯予防の手法として、「シーラント」という方法があります。虫歯の予防方法にはいろいろな手法がありますが、どれも万全とはいえない部分が少なからずありました。そこでこの「シーラトン」という方法が注目されるようになりました。
シーラトンは、虫歯になりやすい「奥歯のかみ合わせ」の部分にプラスティックを埋め込む方法です。原理的にはフッ素幕によってエナメル質を保護するのと同じですが、プラスティックを利用すること、そして奥歯のかみ合わせであること、このふたつが大きく異なります。
シーラントの最大のメリットは、上でも触れたように、ほかの予防方法では補いきれない部分を補うことができるという点です。また、基本的に虫歯になっていない部分を施術するため、施術による痛みはほとんど感じないというところにも利点があります。
しかし、シーラントにもデメリットがあります。それは、いわゆる「二次虫歯」の発症です。ここでの二次虫歯とは、虫歯を予防するために施術した部分はその目的通り虫歯のリスクを回避できますが、その周辺部分が逆にリスキーになる場合がある、という意味です。プラスティックでコーティングをするわけですから、隙間が生じ、その部分の汚れが歯磨きでは落としにくいという現象が生じるのです。しかし、これはシーラントを実施する医師の手腕によるところも大きいので、一概にデメリットとは言えないとする考え方もあります。
保険適用されるシーラント(6歳~12歳まで)は、1本あたり400円で施術できます。保険適用外(年齢制限なし)の場合、1本あたり最大で2000円かかります。
虫歯予防は自宅でもできます。と言っても、特別な器具や薬剤を用いるのではなく、私生活の中でちょっとだけ気を配るという意識レベルの工夫です。たとえば、普通のガムを与えるのではなく、キシリトールガムを与えるとか、あるいは歯磨きはフッ素入りのものを用いるなど、そういったレベルでも効果はあります。
以上のように、小児歯科における虫歯予防は、大人との違いに注意しながら行う必要があるのです。
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