歯には、「前歯」、「犬歯」、「臼歯」などの種類がありますが、これら種類ごとにそれぞれあるべき本数が決まっています。しかし、歯の生え方に異常が生じると、本数が余分になってしまうことがあります。これを「過剰歯」と呼びます。余分にあるのだから、少ないよりはマシではないか・・・などと考える人もいるようですが、余分に生えてしまうというのは「異常」なことです。ですから、当然いろいろな弊害が生じることになります。
この症状は、女性よりも男性のほうに多くみられます。中でも、上の前歯のさらに前や裏、上顎にできてしまうケースが多くみられます。本来あるはずのない歯が生える原因はいろいろ考えられますが、人間の骨格形成の進化の過程において、すでに退化したはずの歯が生えてくるという症例が多くなっています。
過剰歯は乳歯の段階で判明することが多いため、お子さんが小さいうちに発見し、対処しておくことが重要です。
一番の問題になるのが、「歯列に乱れが生じる」ということです。歯列の問題は、虫歯や歯周病を助長することから、たいていは大きな問題となってしまいます。ですから、「余分に生えているなら少ないよりはマシ」という考え方は大きな誤りです。ちなみに、過剰歯の反対に、「欠損歯」と呼ばれる症状もまれに起こります。こちらのほうが発症リスクは低いとされますが、このケースでも、歯列に問題を生じるため、対処しなければなりません。
多くの場合、余剰分の抜歯が必要になります。ただし、抜歯を必要としないケースもあります。過剰歯は、曲がって生えてきたり、ほかの歯を圧迫する位置に生えてきたりすることが多いため、歯列を乱すリスクが高い場合多く、その場合は取り去らなければなりません。ただし、曲がらずに素直に生えてきていて、さらにほかの歯に影響をおよぼさない場合には、そのまま放置するケースもあります。また、上顎の奥のほう(のどに近い方向)に生えた場合、処置に危険がおよぶ、もしくは大規模な手術が必要になることがあり、この場合も、外科的な治療を見送るケースが多いです。
乳歯の段階で過剰歯に気づくケースが多いですが、生え方が素直な場合は、時間が経過してもなかなか気づかないこともあります。歯科検診を受ければ間違いなく発見できますので、お子さんが小さいうちに、できるだけ早く歯科検診を受けること、それから定期的な歯科検診を受けることをおすすめします。
このように、歯は決められた本数が決められた位置にあることが何よりも大切なのです。
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