小児歯科専門医とは、幼少期の歯科に対する専門的な知識と高度な技術を備え、日本小児歯科学会の認定を受けた専門歯科医のことです。全国におよそ10万人の歯科医がいますが、小児歯科専門医は、そのうちおよそ1200人程度しかおらず、その割合はわずか1%程度にとどまります。
子どもの歯の健康を守る上では非常に重要な役割を担うため、今後その増員と強化が我が国の歯科学会全体の急務となっています。
小児歯科専門医は、一般の歯科医とは異なり、「幼少期の歯科」を専門的に担当します。専門医になるための資格は、厚生労働省の管轄である日本小児歯科学会の認定を受けることで有することができます。
日本小児歯科学会に5年以上属し、関係機関である病院などで小児科臨床に関する報告を発表した者が、認定審査の受験資格を得ることができます。
小児歯科専門医の仕事は、幼少期の歯科の健康を守るための技術的な医療行為はもちろん、この時期特有の子どものこころのケアまで行います。たとえば、歯科もしくは歯科医に対して恐怖を抱いている子どもから、その恐怖を少しでも取り除くためのカウンセリングを行うことも、重要な仕事のひとつになります。ここでいう「カウンセリング」とは、泣いている子どもをあやし、なだめすかすことなどを指します。
「小児歯科」を謳っている歯科医院であっても、小児歯科専門医がいないという患者さんの声を聞くことがありますが、これは別段不思議なことではありません。というのも、一般の歯科医でも幼少期の患者の検診や治療をすることができるからです。
ただ、より専門的な技術や知識が必要な場合には、しかるべき担当医が担当したほうが、受診するメリットが大きいことは間違いありません。ですから、必要に応じて専門医がいる歯科医院で受診したり治療を受けたりするという考え方も必要です。
小児歯科専門医の重要な役割として挙げなければならないことは、「幼少期患者の保護者へのアドバイス」です。小さいお子さんにいくら専門的なアドバイスをしても、その意図が正しく伝わるはずがありません。ですから、意思伝達という意味では、専門医の役割は非常に重要になります。
将来健康な歯を保つためには、できるだけ小さいころから正しい歯のケアの方法をしっかりと体得しておく必要があります。そのあたりを専門医がお母さんに伝え、ご家庭でそれをお子さんに実行させていただくという手順になります。
このように、小児歯科専門医は一般の歯科医とはひと味違った役割を日々になっているのです。
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