「歯科矯正を行うのは大人」と考えている人は多いですが、実は、子供だからこそ、矯正治療を行うメリットがあるのです。というのも、小児歯科のテリトリーでは、単に虫歯を治すというだけではなく、「顎の成長過程で正しい成長を促す」というところに重きを置いているからです。
顔のゆがみをはじめとする外観の面で将来悩まなくてもすむというメリットは、お子さん自身が今ちょっとだけ我慢することで得られます。そして、そのメリットの大きさは考える以上のものがあるといえるはずです。ただ、矯正にかかる時間が非常に長くなるというデメリットもあります。時間が長くなれば、それだけ費用もかかってくることを意味します。
小児歯科における矯正治療の方法は多様で、それにともなって器具もいろいろな専門器具を用いることになります。もっともポピュラーな方法が「マウスピース矯正」で、これはマウスピースと呼ばれる特殊な矯正具を装着して、顎の骨の成長を正します。ほかにも「床矯正」と呼ばれる方法があります。これは、咬合によって偏りやすい力のバランスを整える上で有効な方法です。装置は、ネジで固定するタイプのものが多いです。
小児歯科における矯正治療の場合、マウスピースと並んでポピュラーなのが「ブラケット矯正」という方法です。この方法では、「ブラケット」と呼ばれる器具を装着します。おそらく多くの方が一度は目にしたことがあると思いますが、ブラケットによって歯に1本ずつ力を加えて矯正します。この方法は矯正の効果としては極めて高いものがありますが、笑ったときなどにブラケットが見えてしまうのがデメリットになります。したがって近年では、ブラケットを装着しない矯正の人気が高まっています。
幼いうちに歯科矯正を行うメリットとして「費用」が挙げられます。大人よりも子供のほうが安く矯正できるからです。とは言え、種類によってはかなりかかってしまう場合があります。ただ、相場の平均値としては、だいたい「40万円」程度が予想されます。これは、大人の半分以下です。すべてが永久歯に生えかわってから行うと、80万円程度かかります。
大人の場合は税務署によって解釈が異なりますが、子供の歯科矯正は医療控除の対象になります。このあたりも、子供のうちに行うメリットであるといえます。
単純に歯列矯正を行うケースでは、保険が適用されません。ただし、先天的な指定疾患の治療のプロセスで矯正する場合には、保険が適用されるケースもあります。
子供に特有な「指しゃぶり」によって、歯並びが悪化することがあります。指しゃぶりによる弊害は、いわゆる「出っ歯」や「すきっ歯」、咬合不良など、後に歯列矯正が必要になってしまう症状が顕著に見られます。
このように、幼少期、年少期の歯科矯正は非常に重要な意味を持っているのです。
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