乳歯が生え変わるときは、個人差はあるものの、多かれ少なかれ難しい問題が生じることが多いです。そこで、ここでは乳歯の生え変わりについての基本的な知識と、トラブルが生じたときの対処方法についてお話していきたいと思います。
上下トータルで20本ある乳歯にも複数の種類があるため、生え変わりの時期がある一時期に集中するというわけではありません。これはおそらくみなさんも経験されているのでお分かりかと思います。「乳歯」と呼ばれる歯が永久歯に生え変わるのは、「6歳~12歳」あたりです。もちろん、多少前後することはよくあります。このあたりは個人差と考えて問題ありません。
乳歯の生え変わりが遅いと、親御さんとしては心配になるケースが多いですが、しかし、歯を「消耗品」としてとらえるとき、実は生え変わりが早いよりは遅いほうが大きいメリットがあるということになります。ですから、周りの子どもたちがみな生え変わってきているからといって、そんなに慌てる必要はありません。ただし、中には深刻な理由で遅れてしまっているケースもあります。これは、遅いというよりは、「生え変わらない」というリスクもはらみますので、このケースには要注意です。
生え変わりが著しく遅れる理由としてもっとも多い症例が「過剰歯」です。過剰歯が邪魔をして、上手に抜けないことが原因になっています。また、生え変わらない症例としては、永久歯がつくられていない場合が多いです。ですから、遅い分にはメリットがあるとはいえ、そういった異常の可能性は歯科医院でチェックしたほうがよいでしょう。もちろん、当院でも検査を実施しています。
グラついている乳歯は抜かなくても自然に抜けるという意見もありますが、しかし、小さなお子さんにとってこの状態は、大きな痛みをともなう状態ですので、無理に残しておくメリットはありません。また、出血によって精神的な不安を助長することにもなります。また、グラつきによって、歯茎に炎症が起こり、歯肉炎を発症することもありますし、また、ばい菌が原因で歯肉炎になることもありますので、抜けるのを待たず、抜歯する方向で考えるのも悪くないといえます。
ただし、抜歯に関しては、できるだけ歯科医院で実施することをおすすめします。ご家庭で抜くというケースも見られますが、その場合、永久歯が歯の裏側から生えてきてしまうことがあるからです。また、抜歯後の消毒も必要になります。
このように、軽視されがちな乳歯ですが、中には深刻な問題もあり、決して軽んじることはできないということを理解していただきたいと思います。
Copyright (C) 2014 チャイルdente All Rights Reserved.